遠足(西郷探検:北村コース)

  全校遠足は昨年度に引き続き西郷を歩いて探検します。今年は牛戸→湯谷→小畑→弓河内→北村(約9.5㎞)を巡りました。

 ガイドをしてくださるのは坂本敬司さん、坂本嘉和さん、窪田俊憲さんです。西郷地区のことを本当によくご存じです。「西郷の子どもたちに故郷のことをもっと知ってもらいたい、故郷の景色を楽しんでもらいたい」という温かい気持ちでガイドを引き受けてくだいさいました。ありがとうございます。

【坂本敬司さん】             【左:窪田俊憲さん・右:坂本嘉和さん】

 

湯谷河川公園の遊歩道

 曳田川のせせらぎを聞きながらゆっくりと歩きます。

 


湯谷荘

 湯谷荘は西郷地区だけでなくその他の地域からもたくさんの人が訪れる憩いの場です。

 


三枚岩

 三枚岩の周りがきれいに草刈りがされていました。岩が見やすいようにしてくださったようです。ありがとうございます。

 大きな岩が三枚重なっている珍しい巨岩です。この三枚岩にまつわる伝説について、白が調べたことを発表しました。

 


湯谷温泉の源泉

 11代目の谷長潔さんに源泉を見せていただきました。お忙しい中、時間を作ってくださってありがとうございます。

 この源泉は今から285年前の江戸時代(元文2年:1737年)に掘り当てられました。掘削重機などない頃なのですべて手作業で行われたそうです。湯船をのぞくとぽこぽこと泡が上がっていて、温泉が今でも湧いていることが分かります。温度は30℃くらいで白濁したお湯です。手をつけてみるとしっとりすべすべになりました。

 湯谷温泉は鳥取藩指定の温泉地(岩井・勝見・吉岡)と並ぶ温泉地として昔から有名です。幕末の頃、桜田門外の変を起こした水戸藩と鳥取藩は密約を結んでいました。そのつながりで湯谷に水戸藩士が湯治に来ていたという記録もあり、日本の歴史が変わる瞬間に湯谷温泉が関わっていたと思うと、歴史の重みを感じます。

【11代目:谷長潔さん】         【すべすべになるよ】

 

【庭にも温泉が湧き出ています】      【黄組の発表】

 


薬師堂・薬師如来

 谷長さんに薬師堂と薬師如来について説明していただきました。薬師如来は怪我や病気を治してくれる仏様です。薬師如来像かそうでないかは左手を見ると分かります。薬師如来は左手に薬壺を持っておられます。唱えるお経は「おんころころ せんだい またおきそわか」だそうです。

 


首塚

 小畑にある首塚には恐ろしい由来があります。戦国時代、因幡の国主山名豊国(やまなとよくに)と、玉津(たまつ)の鵯尾城(ひよどりおじょう)の武田高信(たけたたかのぶ)との間に大きな戦がありました。討ち取った敵の首級を埋めて供養したのが首塚だと言われています。

 背筋が寒くなる話ですが、本当に首が埋まっているのでしょうか?100年ほど前に調査した人がおり、首は埋まっていなかったそうです。(ほっとしました…)

 この首塚は「首から上の病気を治す」と言われています。拝むと頭が良くなるかな?

【首塚】                【真剣です】

 


 しばらく景色を楽しみながら歩いていると、稲刈りが終わった田んぼがたくさん見えます。これらの田んぼは、安政年間(1854~1860年)に近藤浅右衛門(こんどうあさえもん)が、曳田川に堰を築いて井出を掘り開発したものです。160年以上も前に作られた堰や井出が現役で活躍しています。昔の人の熱意と技術の高さに感動します。

【高山が見えます】          【一面に広がる水田】

 


弓河内の大枝垂桜

 この枝垂桜は昭和30年に県の天然記念物に指定されました。根元から5メートルほど上の方で5つの大きな枝に分かれそこから、小枝が出て、しだれ糸のように細くたれ下がっています。周囲(大人の胸の位置くらいの高さ)は2.4メートル、木の高さ13メートル、枝張り東西15メートル、南北8メートルもあります。樹齢は200年以上でしかも、過去3回の台風の被害に遭いながら毎年見事な花を咲かせています。

【春には見事な花が咲きます】     【青組の発表】

 

西郷小学校北分校跡地

 昭和37年まで北村に西郷小学校北分校がありました。校舎は取り壊され、当時の面影を残すのは校庭にあった木のみです。窪田さんに校舎で学ぶ子ども達の様子や校舎を上から撮影した航空写真をみせていただきました。

 


観音寺

 お寺に到着すると小谷隆泰住職が出迎えて、本堂に案内してくださいました。真ん中にご本尊の聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)、右に弘法大師、左に薬師如来がいらっしゃいます。そして、県指定の重要文化財の勢至菩薩(せいしぼさつ)を見せていただきました。この勢至菩薩は平安時代後期に作られたものだそうです。

【ご住職】              【本堂】

 

【勢至菩薩立像】

 

北村公民館・昼食

 


北村ウォークラリー

 お弁当を食べた後は、谷口豆腐店、宝篋印塔(ほうきょういんとう)、粟谷橋(あわたんばし)手前、有田大庄屋屋敷の4か所をウォークラリーしながら巡りました。

【谷口豆腐店】

 

 谷口豆腐店は美味しい豆腐屋さんで有名です。外まで大豆の良い香りが漂っていました。

【宝篋印塔】

 

 宝篋印塔は災厄から守る魔除けの役目があり、村はずれの目立つ場所に設置されています。北村の宝篋印塔は隠れた場所にあるので、注意深く探さないと見つかりません。

【粟谷橋】              【橋の向こう側】

 
 粟谷橋から向こうには「歯むき坂」の姥捨て伝説が残っています。橋を渡るとあの世ということです。橋の向こう側を見ると、何だか薄暗く感じて少し怖くなりました。

【有田大庄屋屋敷】

 

 有田大庄屋屋敷は今から200年前に建てられたお屋敷です。修理をしながら現在も人が住んでおられます。村長さんの役目を果たしていたという当時の勢いを感じさせる立派なお屋敷です。


兌床橋(だどこばし)・浅右衛門堰(あさえもんぜき)

 4㎞先の弓河内一帯約20ヘクタールの水田を潤す水源です。

【奥に見えるのが浅右衛門堰】

 


高山神社
 地元の人々から「権現さん」の名で親しまれている高山神社は、かつては三徳山の奥ノ院のさらに奥ノ院として高山(標高1054m)の頂上にあったそうです。今のように山麓に神社をうつした理由についての言い伝えを赤組が発表しました。
【赤組の発表】             【お参りしました】

 

落河内の大カツラ
 最終目的地に着きました!太い幹にびっしりと苔を生やして見上げるほどに大きな大カツラが持つ神秘的な雰囲気に圧倒されます。
 この大カツラは昭和40年に県の天然記念物に指定されました。周囲が12.9メートル、枝張り東西36メートル、南北35メートル、総面積130平方メートル、木の高さ25メートルの大木です。地元の人々から「山の神」と信仰されているのもうなずけます。
 


地元の方々との交流
 9.5㎞という長い行程を子ども達は最後まで歩ききりました。それは沿道で多くの方が「がんばれ!」「よく歩いてきたなぁ。」と温かい声援をおくってくださり、励ましてくださったからです。豊かな自然と文化、そして温かい人々との交流、西郷の地でしか体験できない遠足となりました。ありがとうございました。
 時間の都合により経路を変更いたしました。待っていてくださった方がいらっしゃったと思います。連絡が上手く伝わらず申し訳ありませんでした。

 

 

 来年こそはコロナウイルス感染症が落ち着き、遠足で地元の皆様と一緒に西郷の地を巡ることができるよう願っています。

 

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